株式会社牛久工務店一級建築士事務所

2023年7月25日 【施工中】木造住宅の基礎補強

木造2階建ての全面リノベーションしている現場です。築50年以上経っており、あちこち劣化が進んでいました。柱や梁はもちろんの事、建物を支えている基礎も古く劣化していました。幸い緊急を要するほど大きなクラックや割れ等はありませんでしたが、この先住み続けるに当たり補強は必要です。

よく基礎を補強する際に、内側は新しく基礎を設置する方法があります。既存の基礎へ穴を開けて鉄筋を刺して一体にする方法です。ですが、現在建物を支えている柱や土台は既存の基礎の上に乗っています。たとえ内側へ強い基礎をつくっても本来補強するべきは既存の基礎です。また今回の建物は約6.5坪しかなく、1階床下で給排水等の配管も行うため内側に新しく基礎をつくるスペースがありません。

よって今回は基礎の側面に炭素繊維で基礎を補強する方法を採用しました。

床下の通気用で風窓と呼ばれている開口部が昔の基礎にはよくあります。この開口部周囲がクラックが入りやすいので既存の割れの部分にエポキシ樹脂を注入して炭素繊維を増し張りする形で追加で補強しています。

基礎の補強工事
基礎の補強工事

黒い色のものが炭素繊維です。グリーンの色がそれを固める特殊な塗料になっています。基礎のコンクリートが地震等で大きく割れたり下がったりするのが危険のため、炭素繊維を基礎の全周に張り付ける事によって全体が一体的になり、揺れや歪み等によっても今後クラックが入らないようにするという考え方になります。

炭素繊維で基礎補強した
炭素繊維で基礎補強した

そして基礎と土台を繋ぐアンカーボルトが少なかったため、追加でアンカーボルトを設置しました。この炭素繊維を貼る事によって既存の基礎に強度が出るため後からアンカーボルトを打ち込んでも強度が出ます。アンカーボルトの引っ張り強度試験を行ってもちゃんと強度数値が出ていました。

今回は基礎の内側に炭素繊維で補強しましたが、基礎の外側へ補強する事も可能です。部屋の中を解体しなくても住みながら屋外から補強する事も出来るようです。(建物の状況にもよります。)

リフォームやリノベーションはキッチンやお風呂、水回りや内装に目が行きがちですがこういった基礎や柱・外壁・屋根に注目してリフォームやリノベーションを進めるのも大事かと思います。

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