株式会社牛久工務店一級建築士事務所

2023年7月12日 【施工中】戸建ての全面リノベーション

築50年以上経つ木造戸建ての全面リノベーションを行いました。すでに工事は完了していますが、何度かに分けて写真をご紹介したいと思います。

駅からほど遠くないところにある路地を入ったところにあるお宅です。恐らく昔の建売住宅で、近隣にも同じような建物がまとまっています。近隣は都市開発で道路が変わったり区画整理が非常に進んだ地域です。新しい建物も多く立ち並ぶようになり、築50年の建物は逆に目立つようになってきてきます。

恐らく建ってからあまり修繕を行っていないため、外壁の傷みが結構ひどい状況でした。大きな雨漏りはしていないようでしたが、部屋の中に雨が出てこなかっただけで壁の中や天井裏には雨漏りしていたかもしれません。実はそういった見えない・気づかない雨漏りがとても心配です。目で見えない状態で雨漏りが進んで木造の柱や梁が腐ってしまったり、鉄骨造の柱や梁が雨で錆びてしまったりと知らない間に腐食が進んでしまう場合があります。

こちらの建物も予想通り、見えないところで腐食が進んでいました。

足場を掛ける前に部分的に解体工事を行った。
古いモルタルの外壁。あちこちにひび割れがあり、今にも剥がれ落ちる状態だった。

木造戸建ての工事で腐食がよく見られるのは浴室廻りです。一般的に「在来風呂」と呼ばれる昔ながらのステンレスの浴槽とタイルが貼られた洗い場と壁で出来たお風呂場です。こういったお風呂はタイルの隙間や排水溝廻り、出入口の扉廻りから水が浸入してしまう事が多いです。ただ、水が浸入しているか水が漏れているか見た目では分かりません。確認する方法もないですね。

既存の浴室。いわるゆ「在来風呂」
タイルの目地や壁の入隅から水が浸入してしまう事がある。また排水溝廻りも漏水の原因になりやすい。

その状態でお風呂を解体してみると廻りにある柱や土台が腐食して腐ってしまっている事が多いです。こちらの建物も解体してみたら木造の柱が宙に浮いている状態でした。しかも1本だけでなく、お風呂場廻りはほとんど宙に浮いていました。その上に2階の建物があるので非常に危険な状態でした。

お風呂場を解体した後の様子。
お風呂場廻りの柱の写真。完全に宙に浮いた状態。土台もなし。
こちらも浴室廻りの柱。足元が完全に腐っている。
浴室廻りの柱は腐って全滅だった。土台もほぼなくなっている状態。筋違や貫き板も効いていない状態。

本来、柱が乗って支えている土台もほとんどないですね。いちおありましたがもうグズグズで木くず状態でした。木造の軸組構造のため、色々なところで柱梁が繋がって支えているためすぐに倒壊とはなりませんがどちらにせよ危険な状態です。

お風呂場廻り以外も様々なところで補強が必要なところが出てきました。解体する前にある程度経験上で想定してお見積りも作っています。ですが、それでもやはり解体しないと分からない部分が多くありますね。こういった全面改修する場合は解体しながらお客様と色々と相談しながら進めて行く形になります。

1階の解体途中の様子。
2階の解体途中の様子。

. . . . リノベーション完成後の写真はこちら 〉〉

お問い合わせ

家づくり・お店づくり、リノベーションなどお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせへ